第二回 ツイッタラーが語る欧州football
さて、二回目のゲストは先日行われた第二回プレミアリーグドラフト会議の参加メンバーであるれんじんぐ(@Rashica_wolf)さんです。
どうぞよろしくお願いします。
れんじんぐ(以下:れ)「宜しくお願いします」
りりアンリ(以下:り)
「早速ですが、学生グーナーさん主催で開かれたプレミアリーグドラフト会議の事について、お話を聞かせてください」
れ「まず、参加させて頂いた事に感謝を伝えたいです。
自身のチームの感想としては、プレミアドラフトでありながらチームモデルをサッリナポリ/デゼルビサッスオーロと言ったセリエAのチームを基にして作成したのは他の参加者との差別化を図れたと思うので良かったですね。
個人的にはジルーの一位指名がポイントだったかなと思います。何より参加していてとても楽しかったです」
り「ゲームモデルをセリエAのクラブに設定する発想はなかなか面白いですね(笑)
この二つのクラブの共通点といえば真っ先にポゼッションという言葉が思い浮かびます。
縦に早くスピーディーかつアップテンポなゲームが多いこのリーグで、特に意識した人材の選考基準などはありますか?」
れ「一番は"ビルドアップをアンカーの能力に依存しないこと"ですね。その為に2ライン間にパスを通すのが上手いラポルテ、裏へのフィードに定評のあるルジューヌを選出しました。これはプレミアで比較的ポゼッション志向のボーンマスをモデルにしています。
あとは中盤のキャプー。ボックストゥボックスとしての完成度が非常に高く、彼の個人能力で敵プレッシャーラインを超える事が出来ます」
り「なるほど。CBの2枚が安定して質の良いボールを供給できる事と、可動域の広いMFを据える事でアンカーに負荷が掛かりにくくなっていますね。
普段クリスタルパレスで2CMの一枚を担っているミリボイェビッチのアンカー起用というのは、2CBのラポルテとルジューヌが半〜1列前へ付けた後のケアが主なタスクなのでしょうか?」
れ「そうですね。それに加えて彼はパスワークの中にも問題無く参加できますし、空中戦でもしっかり競り勝てる点もあります。やはり、プレミアでは空中戦というのは避けては通れないですからね」
り「言わば激しいボディコンタクトが繰り広げられるイングランドでも戦い抜けるポゼッションスタイルといった感じですね。
先程れんじんぐさんのお話の中で、モデルにしたクラブはボーンマスだと話していました。エディハウもボールを保持するスタイルを好む監督ですが、彼らのチームとれんじんぐさんが組んだ11人で決定的に違う所、また強みといった所はありますか?」
れ「前述と被る部分がありますが、中盤の推進力、違う所では攻撃の終着点がウィルソンに集中するボーンマスに対して、こちらはジルーとスタニスラスと言った2人のフィニッシャーが居るところです。
スタニスラスはボーンマスだろと言うツッコミが入るかもしれませんが、今季はレギュラーという訳ではないですからね(笑)」
り「確かに定位置こそ掴みきれてはいないように見えますが、スタニスラスも大きなポテンシャルの持ち主ですもんね。
左で崩したベルナルジがクロスを上げ、逆サイドでスタニスラスが待っている画がみえます」
ウェールズの異彩ブルックスの影に隠れつつあるスタニスラス。持ち前の"クロスを感じる嗅覚"を活かし右の定位置を確保する日が来るのだろうか。
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り「さて、話は変わりますがれんじんぐさんご自身のTwitterホームに『バイエルン贔屓』と書かれています。今季の調子、そしてチームとしての在り方をざっくりと振り返っていただけますか?」
れ「今季の調子は悪いと言わざるを得ないですね。
コバチを招聘して新体制に移行しましたが、夏のマーケットでの出遅れ、主力選手の高齢化など複数の問題が一気に顕在化したイメージです。今季はまずCL出場権の獲得を目標にして欲しいと思っています。
チームとしてのスタイルはそこまで大きな変化は無く、若干中盤でのインテンシティを重要視しているという印象ですね。ただ上手く言っているとは言えません。また、カウンターに対する対応は大きな問題点の1つだと思います」
り「不動の王者は厳しい状況にありますね。
そんな中、ファーブル率いるドルトムントは頭ひとつ抜け出し現在ブンデスリーガ首位に君臨しています。
今季好調のロイスをトップ下に据え、新たな得点源のアルカセルやゲッツェを偽9番に置くなど、バリエーション豊富な"Reus System"と名前が付けられた布陣がありますね。
これについて、今のドルトムントの肝はやはり彼の出来次第になるのでしょうか?」
れ「ドルトムントも今季は全試合みていますが彼の出来は重要です。
ただ、彼以外にもサンチョ、ラルセンといった勢いのあるアタッカーが居るのは物凄く頼もしいと思います。プリシッチの不調は気掛かりですが、それを補って余りある攻撃力があります。
守備に関しても、ディアロ、アカンジ、ザガドゥーのいずれも好調ですし、ビュルキは過去最高のパフォーマンスを披露しています。個人的にはピシュチェクの後継者としてアクラフが台頭してきたのは嬉しいことです」
り「若手の台頭というのはチームにとっても大きなプラス材料になりますね。まだ選手として成熟し切っていない今の段階が、監督の求める仕事と組織の中での役割を柔軟に理解することができる点でも素晴らしいことです。
そこでお伺いしたいのが、今季開幕前まで世間的には無名に近かったラルセンの存在です。元々レンタル放出候補だったようですが今は左ハーフのスタメンを勝ち取るまでに成長しています。
ファーブルのなかでプレシーズン前後での評価が大きく変わったのでしょうか?」
れ「間違いなくプレシーズン後に評価が上がったとは思いますね。
シュトゥットガルトは再レンタルを希望していらしいのですが、それを断って残留させている時点で期待値の高さは伺えます。
実際、期待に応えるパフォーマンスを見せていますし、何よりロイスとの相性が非常に良いです(笑)」
り「確かにチームの主軸を邪魔しない気の利いた立ち位置や配慮が自然と出来るプレーヤーですね。良い意味で"我を出し切らない"ところが好感を持てます。」
個としても充分な能力を持ちながら、周囲に自らが活かされる立場にもなれるラルセン。このチームで絶対的なロイスを〝邪魔しない〟技術に秀でたデンマークのホープは、今後より一層クラブに必要な存在となるだろう。
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り「ブンデスの若手について話をしましょう。
上記で挙げたラルセン以外にも優秀なプレーヤーはまだまだ沢山います。
リーグ自体の人気/知名度がプレミアやリーガに劣ってしまう部分がどうしてもあるので世間的には有名ではない選手も多い中、れんじんぐさんのオススメする期待の有望株を教えてください」
れ「挙げたい選手は沢山居ますがここでは3人に絞って紹介させて頂きます。
1人目 ルカ・ヨビッチ
1997年12月23日(🇷🇸)
まず1人目はフランクフルトのCFルカ ヨビッチです。
20歳ながらここまでリーグトップの9得点を挙げていますし、どんな形からも点が取れ、シュートの技術は圧巻の一言です。